みなさん、こんにちは!ピースボートセンターふくおかの讃井悠介(さんこん)です~!
早く旅したいですね!
これまでは海外の世界遺産を紹介してきましたが、今回は日本です!
日本は1993年から世界遺産の登録が始まったのですが、早い段階の1995年に登録された岐阜県と富山県にある「白川郷と五箇山」をご紹介します。
環境に合わせた万能な家
一度は写真などでもご覧になったことあるのではないでしょうか?
合掌造りの家です。
屋根に傾斜があり、手と手を合わせたような姿から、こう呼ばれています。
屋根の傾斜は45~60度もあります!
降水量が多い、また冬は豪雪ということから生まれた、水はけをよくする、雪下ろしの負担を軽減する為の万能の屋根なのです。
またこの合掌造り家屋は、あえて釘などの金属を1つも使用してないんです!!
木製のくさびや、ねそなどが使われています。
しかも屋根は東西に向いているんです。
これは屋根を効率よく乾燥させ雪を早く溶かしたり風の強さを最小限に抑えるための工夫です。
とにかく遠い…
世界遺産には、岐阜県の白川郷の荻町集落、富山県の五ヶ山地区の相倉地区、菅沼地区の計3集落が登録されています。
白川郷地区です。
五ヶ山地区です。
白川郷へは、飛騨高山(最寄りの町)からは約1時間。
人里離れた山間に行く方法は、大きく2つ。
北陸側から行くか、東海から行くか。名古屋からは3時間弱、金沢や富山からは1時間30分ほどかかります。
この長距移動がまたいいんです!
意外と大きな合掌の中
いくつかの合掌造りの中には入ることができます。
入ってみると外観から想像できないほど広いんです。
一般の日本家屋に比べて床面積が広く、また天井も高いからです。
この地域は平坦な土地が少なく稲作や農業には不向きだった代わりに、盛んに行われたのは養蚕や和紙漉き、火薬の原料になる塩硝などの生産でした。
それらには広いスペースが必要となり、さらに耕地の分散を避けるために10~30人の一族が同じ家に住む大家族制が取られていたからです。
人と人の結びつき
厳しい隔絶された環境の中、生活をしていくために必要だったもの。
それは「 人 」です。
この地域には古くから浄土真宗が広まっていました。ここには現代社会では薄くなってきた、隣人同士の結束が続いています。
「 結(ゆい) 」と呼ばれます。
30~40年に一度行われる茅葺屋根の葺き替えには、かつて村民100~200人が総出で1日で仕上げたそうです。労働力も減ってしまった現在でも、地域の住民やボランティアなどの協力の元、総勢200人が丸2日をかけて行うそうです。
ひとりひとりの力が大きな力となり、作り上げる。
そこには、今を守りながら後世に繋げていく、大きな力を感じます。
みなさんも是非、この美しい風景と力を感じに、ここを訪れてみてください。
ピースボートセンターふくおか 讃井悠介(さんこん)