みなさん、こんにちは!ピースボートセンターふくおかの讃井悠介(さんこん)です。
今日も大好きな世界遺産の紹介をします。
アジアNO.1の至宝
約10年アジアの中で観光客が増えているカンボジア。
過去には、ペルーのマチュピチュを押さえて世界で一番行きたい世界遺産のNO.1でもあったカンボジアのアンコール。
アンコール・ワットと耳にする方も多いと思いますが、世界遺産には有名なアンコール・ワット遺跡をはじめ、
周辺にあるアンコール・トムの54基の巨大な四面仏顔塔が並ぶ仏教寺院バイヨン
ガジュマルの木で覆われているタ・プローム
ヒンドゥー教寺院のバンテアイ・スレイなどとともに「アンコールの遺跡群」として登録されています。
400km2 という広大な地域に、9世紀初頭から約600年かけて作った、クメール人のアンコール王朝時代の700近い石造りの遺跡が残っています。この数はカンボジア全土にある遺跡の7割以上に相当するそうです。
最初の見どころは早朝から
アンコール・ワットをより楽しむには、まず朝早く起きることをお勧めします。
僕も実際早朝3時頃に起きて、遺跡に向かう準備をしました。
遺跡のチケット売り場には早朝5時前に行きましたが、この混雑ぶり!実際チケットを手に入れるまでも40分ほどかかりました。
それから多くの人は、まず池を目指します。
池!?
おそらくアンコール・ワットを写真で見たことがある方は遺跡の前に池が写っているものだったと思います。
池を挟んで遺跡を見ることができる場所。これが一番の定番の写真スポットなのです。
実際行ってみると沢山の人々が…
少し見にくいかもしれませんが、池の周りにびっしりと人がいます。これは遺跡側から池を撮った写真です。
まだ辺りは暗いですが、この池に人が集まる理由は、ここからは遺跡の背後から朝日が出てくるからです!(ちょっと暗すぎてその時の写真はありませんが)
その時はついに…!
池の前で待機しながらその時を待ちました。周りの歓声とともに、徐々にうっすらとオレンジ色に包まれてきました。
遺跡の背後から昇ってくる朝日。そして池に遺跡が映る美しさ。僅かな時間しか見れませんが、これが朝早起きした人だけが味わえる絶景です。
広大なアンコール・ワット
クメール語で「アンコール」は「街」、「ワット」は「寺院」の意味です。
寺院によって造られた街。
アンコール・ワットは、アンコールの遺跡群の中では最大の建造物で約2 km2の広大な遺跡です。
12世紀前半に、スーリヤヴァルマン2世が建設を開始し、30年かけて建造されました。
アンコール朝の王は即位する度に都城と寺院を造営し、自らを神格化しました。
この建設に携わったのは、16~45歳の人で、総数3~5万人と言われています。国内各地から移り住んだ為、周囲の人口も爆発的に増えたと言われています。
また、当初から建設の目的は一部の人しか知らされていなかったそうで、自分たちが何を作っているのか分からずに作業をしている人が大半だったと言われています。
寺院はヒンドゥー教の宇宙観を表しています。
5基ある尖塔(せんとう)は、ヒンドゥー教で地球の中心に位置し神々が住むとされる須弥山(しゅみせん/メール山)を表し、周囲の環濠は7つの大海原、周壁はヒマラヤ山脈に見立てられています。
壁面には精緻な浮き彫りで埋め尽くされています。
このクメール美術は東南アジア全域に大きな影響を及びました。
この遺跡を傷つけたもの
かつてカンボジアでは内戦が起き、推定100万とも300万人が犠牲になったとも言われています。これは当時の人口の3分の1だったと言われています。
カンボジア全土、もちろんこのアンコールの遺跡群も荒廃してしまいました。
アンコールの遺跡群にも当時の弾痕が残っている場所もあります。
崩壊の危機を救ったのは、世界からの支援でした。今もなお国際支援を受けながら修復、保存は進められています。
しかしカンボジア全土で見ると、まだまだ当時の名残を感じることができます。
「悪魔の兵器」地雷。(地雷についてはこちら)
カンボジア国内には、まだ何万個(600万とも言われるが確かな数は分かりません)という数の地雷が埋まっていると言われています。
1ドルほどの安価で人を傷つけることができる地雷。当時沢山の地雷が作られ地中に埋められ、今もなお誰かが踏まない限りなくなりません。
ピースボートでは、カンボジアの地雷をなくすための支援(P-MAC)も長年続けているので、是非知って欲しいです。
危機に陥ると、支えてくれる人がいます。
危機に陥る前に気づいてくれる人がいます。
危機に陥らないようにアドバイスをくれる人がいます。
カンボジアの光と影。
このアンコールの遺跡群から見ることができます。
カンボジアの人々の心の支えでもあるアンコール・ワットは、この国の真ん中にあります。
ピースボートセンターふくおか 讃井悠介(さんこん)