こんにちは^^ピースボート福岡みしょーです😊(自己紹介記事はこちら)
連日ニュースになっているモーリシャス。日本の三井商船の貨物船が座礁・重油(オイル)が流出し甚大な被害を受けているインド洋に浮かぶ島。
私も93回クルーズのときに訪れたとっても素敵な島国で、今回のニュースにとてもショックを受けています。
実は私自身、元マリンスタッフとして海で働いていたときに、このオイル流出で何度も悩まされたことがあります。今回はこの実体験も交えてモーリシャスについて考えていきたいと思います。
■天国にもっとも近い島、モーリシャス
「神は最初にモーリシャスを創り、それを真似て天国を創った」
そう例えられるほど美しい海や雄大な自然を持つモーリシャス。
実は世界遺産にも登録をされています。その背景には負の歴史もあるのですが、それはこちらの記事へぜひ!
■三井商船からの重油流出被害
これほどの美しい海が今、窮地に立たされています。日本の船が座礁し約1000トンもの重油(オイル)が海に流出し海は黒く染まっています。
正直みなさんは黒く染まっているだけだな〜、いつか流されて無くなるでしょう?そう思って聞き流している人や、重油が海に流れて実際どのくらい残るものなのか想像もつかない人も多くいるのではないでしょうか?
■とにかくしつこい重油
私もこの船のオイルで被害にあった経験があります。ピースボート乗船前、沖縄の海でマリンスタッフをしていた時のことです。
1年に1回ほど、このオイルがどこからともなく流れて来るんです。どこかで船のトラブルがあったのでしょう。
最初は海にイカやタコの墨でも浮いてるんだな〜と気にしていませんでした。
みなさん水に絵の具を垂らしたことはありますよね?あんな感じで、少量だとバラけて水中でもフヨフヨと漂い続けます。
そしてお客さんを案内して海から上がってびっくり。みんなの水着が所々黒や焦げ茶に染まり、気づけばシュノーケルや足ひれがベタベタになっていました。
海岸に落ちているサンゴや砂もよく見ると黒い塊に。それをまた踏んでしまい気づかず海に入ってしまう悪循環。
このベタベタ、本当にしつこく、水で洗っても取れないんです。
水着や洋服は使い物にならなくなるし、たとえプラスチックやゴムのツルツルの道具ですら、1度ついたら完璧に取るのは難しいです。洗うスポンジもすぐに破棄。触った手からも石鹸で洗おうと簡単には取れません。時には砂で手をこするしかなかったくらいです。
これが何ヶ月も毎日毎日続くんです。そりゃ〜イライラします…。日によって海の流れは変わるので漂うオイルは多い日少ない日、ポイントによってどこに浮いているのかわからない。
たった少量でも、日々ストレスで、本当に大打撃だったのをよく覚えています。
たとえどこかに流れて行こうと、今度はそこが被害を受けるので、除去しない限りはなくなりません。
■モーリシャスの現状
実際モーリシャスでも、水中の生き物にもくっついて息ができなくなり死んでしまったり、マングローブの下にも入り込んでしまっているそうです。
もちろん人間にも被害は及んでいます。
ペンキのやスプレーのシンナーのよりもきつい匂いを、日々日光の下片付け続ける。体を壊す人も出てきています。
地域によっては、この匂いの影響などもあり、なんと学校が閉鎖をしているそうです。
もちろん先程の私のように、物にくっついてもこの厄介な重油は、片付け作業のための船も壊してしまいます。
ニュースで現地の人々は、「除去しても、除去しても、終わりが見えないんだ。」そう言っていました。
現在モーリシャスではこの重油が1000トン流出しました。想像しただけでも恐ろしいです。半分ほど除去は進んだとはいえ、観光業が国の大部分の人を支える収入源になっているこの国にとって、この被害は今後も人々の生活を脅かすことは間違いないでしょう。
■国際支援が始まる
さて、今回の件を受けこのコロナ禍ではありますが、日本からもJICA(海外協力隊)や、各国からの国際支援が始まりました。
正直この被害を出してしまったのが、日本の船ということにとても心が痛みます。
1日でも早く、またきれいな海がこの地に戻ることを祈っています。
■船で旅をするということ。
人間はもともと海を超え世界を切り開いて来ました。昔は武器や争いを運んでいましたが、いまはたくさんの国の物流を促し、人と人とが繋がりを持てる素晴らしい移動手段の一つで有ることに間違いありません。
私自身モーリシャスでは、現地の孤児院の子供達との交流ツアーに参加し、そしていま、このモーリシャスという島国のニュースに思わず耳を傾けました。ピースボートの船旅で世界のどこかの誰かをふと思い出す、きっかけができたんです。
いまの私になにか大きなことはできないかもしれないけれど、これって本当に本当に大事なことだと思います。
どうかこれからも、「船という存在は、争いや害をもたらすものではなく、笑顔や平和を届けるもの」であってほしい。
そう願っています。